シリア難民危機を考えるブログ

シリア難民に関する情報を集約していきます。難民問題と切り離せないシリアや中東情勢についても検証します。

シリア紛争による死者47万人と推計。国連の発表と約2倍の開き

シリア政策研究センター(SCPR)という民間の団体が、2011年に勃発したシリア紛争の影響をまとめたれ報告書を公表しました。それによると、死者数は47万人に達し、国連統計の2倍に及ぶとしています。そして、国内では人口の45%が難民化したことで人材育成基…

【速報】シリア和平協議 敵対行為停止を合意も実効性については疑問視も

ドイツ・ミュンヘンで開催されたシリア和平協議で、シリア紛争当事者間での停戦が合意されました。シリア政府と敵対勢力、および関係諸国で1週間以内に停戦にこぎつけるという内容です。シリア全土で人道支援を迅速に行うことも決定しました。 Embed from Ge…

シリア難民人道支援に1兆2800億円を拠出する国家首脳の思惑とは?

ジュネーブで反体制派によるシリア和平協議が中断を余儀なくされたその日。ロンドンでは約70の国と、国際機関、NGOなどによるシリア支援のための会合が開かれました。 会議では各国が難民人道支援のため110億ドル(1兆2800億円)の拠出を表明。難民政策をめ…

ヨーロッパに渡る女性や子どもの難民の数が男性を上回る

UNICEFの統計によると、ヨーロッパに安全を求めてやってくる女性と子供の数が、難民危機勃発以降はじめて男性の数を上回りました。ギリシアとマケドニアの国境にやってくる難民は1月、およそ6割が女性または子どもだったということです。 子どもの割合が増え…

トルコ沖で難民を乗せたボート転覆で30人以上が死亡、生存者の中にはミャンマーからの難民も

幼い子供の死。繰り返される悲劇 2016年に入ってから1ヶ月間で5万人を超える難民が海路でヨーロッパに渡ったと報じられる中、トルコ沖で難民を乗せたボートが転覆し少なくとも37人が死亡する事故が発生しました。 避難民はエーゲ海のレスボス島を目指してお…

ヨーロッパへ海路で渡った難民 1年前に比べて約10倍〜1月30日現在

2016年に入ってからも海路でヨーロッパに渡る難民の数が減少する気配がありません。2015年1月の合計が5000人だったのに対して、2016年は1月30日現在、その数は54,518人に達しています。昨年比およそ10倍。これから暖かくなるにつれて、その数がさらに増えて…

ヨーロッパへ海路で渡った難民が100万人を突破〜12月31日現在

12月30日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の統計によると、海を渡ってヨーロッパに渡った難民の数が2015年で100万人を超えたとのこと。 2014年が216,054人でしたから、およそ5倍(ちなみに、2013年は59,421人)。 特にそのうち半分の50万人は、このブロ…

【ユニクロ・ジーユー】不要になった同社の服1000万着を難民に届けるプロジェクト

ユニクロ・ジーユーが国連難民高等弁務官事務所と連携して、難民に1000万着の服を届けるプロジェクトを開始しました。ユニクロとジーユーで購入した不要な服を店舗に設置してある回収ボックスで集荷しているとのこと。 シリア難民だけでなく世界中の難民への…

ヨーロッパへ海路で渡った難民が99万人を突破〜12月28日現在

2015年も残り僅かになりましたが、ヨーロッパへ海路で渡った難民の数が12月28日現在、99万人を突破しました。このブログではUNHCRが随時発表している統計を定点観察し、10月2日50万人、10月19日60万人、11月5日75万人、11月20日84万人、12月14日94万人とお伝…

「IKEA製」難民シェルターの防火性能が基準を満たさず採用を撤回

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とIKEAが難民用に共同開発した「ベターシェルター」が話題になりましたが、62基のシェルターを導入したスイス・チューリッヒ市が、ベターシェルターの防火性能を問題視して採用を撤回するという出来事がありました。 www.t…

欧州委員会が「欧州国境警備隊」を提案。フランスとドイツ主導の提案にギリシャ、イタリア、東欧諸国が反発も

12月17日から2日間の日程で、ブリュッセルでEU首脳会議が開かれます。難民問題が主要な議題となりますが、それに先立ち欧州委員会が「欧州国境警備隊」の創設を提案しました。 現在は欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)という機関がありますが、今…

ヨーロッパへ海路で渡った難民が94万人を突破〜12月14日現在

2015年になって、海路でヨーロッパへ渡った難民が10月2日50万人、10月19日60万人、11月5日75万人、11月20日に84万人とお伝えしてきました。UNHCRによると12月14日現在、その数が約92万人。極寒の冬を迎え流入のペースは落ち着いてきましたが、それでも1ヶ月…

仏カレー難民キャンプにバンクシー作品『難民スティーブ・ジョブズ』の壁画が現れる

フランスの港街カレー難民キャンプにスティーブ・ジョブズのイラストが描かれました。『難民スティーブ・ジョブズ』と題されたこの壁画は、メッセージ性の強いアート作品で定評のあるバンクシー(Bankcy)によるもの。キャプションには「シリア移民の息子」…

トランプ氏のイスラム教徒入国禁止発言が大きな波紋を呼ぶ

2016年のアメリカ大統領選の共和党指名候補争いで支持率首位のドナルド・トランプ氏。彼が行ったイスラム教徒のアメリカへの入国禁止発言が国内で多くの批判を受けています。 トランプ氏は12月7日、サウスカロライナ州での集会で「当局が事態を把握するまで…

はてなブログに移行しました。

この度「シリア難民を考えるブログ」をはてなブログに移行することにしました。 これまではWordPressでブログを構築していましたが、特に何か大きな開発をするわけでもないですし、プラグインのアップグレードやセキュリティの問題に対応するのに時間を割く…

イギリスに到着後に行方不明になる難民の子どもたちが急増

過去5年間で難民の子ども900人が行方不明になっており、2015年はその割合が急増。1月から9月までで少なくとも340名が行方不明となり、そのうち3分の1の行方が今も分かっていないというショッキングな報告がなされています。 www.theguardian.com イギリス政…

過酷な状況で足止めを食らっていたモロッコ人男性が抗議の自殺

マケドニアとギリシアの国境での混乱がますます深刻化しています。(先日の記事はこちら) View image | gettyimages.com マケドニアへの入国が阻まれ続けていたモロッコ人男性が12月3日、電車の高圧線に触れて死亡。状況に悲観したうえでの自殺と見られてい…

アメリカがイラクに特殊部隊を展開

米軍特殊部隊200名をイラクに投入 カーター国務長官は12月1日、アメリカ下院軍事委員会で対「イスラム国」でイラクに特殊部隊を派遣すると説明しました。 主な任務は「イスラム国」幹部の拘束、人質の解放、情報収集など、地上での作戦を補完する役割を担う…

マケドニアの国境管理厳格化はギリシアに新たな混乱をもたらすか?

各国の難民による通過点になっているバルカン諸国で多くの難民が足止めを余儀なくされています。入国の許可が降りずに、ギリシアに滞留する難民が増加しています。 国境付近では多くの難民が寒い中、テントを張って留め置かれている。 パリ同時テロ事件の容…

11月30日シリア情勢・難民問題 はてなブックマーク注目記事まとめ

トルコ軍によるロシア空軍機の撃墜事件をきっかけとした一連の動きで、ロシアがトルコに対する経済制裁を示唆。その一方で、トルコは難民政策への協力を約束してヨーロッパからの支援金を獲得するとともに、EU加盟に向けた動きも。 シリア問題をめぐるヨーロ…

EUとトルコの首脳会議、難民抑止のために3900億円を拠出

ヨーロッパにシリア難民が大量に押し寄せている問題。 EUとトルコの間で首脳会談が行われて、EUからトルコに3900億円もの支援金が支払われることで合意しました。 トルコはシリアの隣国で、シリア人200万人が難民として滞在しています。そのトルコから危険な…

11月27日シリア情勢・難民問題 はてなブックマーク注目記事まとめ

11月27日に、はてなブックマークで、多くのブックマークを獲得した難民・シリア問題関連の記事をピックアップしました。フランスのオランド大統領による、英米露独伊などの主要国首脳との一連の会談が終わり、トルコとロシアの関係も混迷を深めていく中、状…

11月26日シリア情勢・難民問題 はてなブックマーク注目記事まとめ

11月26日に、はてなブックマークで、多くのブックマークを集めたシリア情勢・難民問題に関する記事をまとめてみることにしました。 jp.reuters.com www.cnn.co.jp tanakanews.com www.mag2.com anond.hatelabo.jp headlines.yahoo.co.jp headlines.yahoo.co.…

UNHCRトップのアントニオ・グテーレス氏の講演会に出席してきました

11月26日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のトップで、元ポルトガル首相のアントニオ・グテーレス氏の講演会が東京渋谷にある国連大学ウ・タント国際会議場で行われました。 グテーレス氏は、1995年から2002年までポルトガルの首相を務め、2005年から現…

ロシア軍用機撃墜。懸念されていた偶発的衝突のリスク

11月24日、トルコの領空を侵犯したロシア軍用機がトルコ軍のF16戦闘機に撃墜され、さらに救助に向かった別の飛行機も墜落するという事件が発生しました。トルコは北大西洋条約機構(NATO)の一員ですが、NATO加盟国がロシア機を撃墜したのは1950年代の朝鮮戦…

オランド大統領、英米独露首脳会談の成果は?

フランスのオランド大統領が「イスラム国」への報復攻撃を開始してから一週間。同時多発テロを「戦争行為」と主張する大統領の強硬姿勢が支持を集め、インターネットを通じた軍隊への志願者が事件前の1日平均500人から約3倍に増加したと言われています。(愛…

アメリカ・メキシコ国境の町にシリア人難民の家族が申請

2家族8人のシリア人難民が先週、アメリカとメキシコ国境の町、テキサス州ラレドに到着し、入管当局が身柄を一時拘束していることが分かりました。 www.theguardian.com パリ同時多発テロ事件後、各州の知事や共和党の大統領候補が難民の受け入れを拒否する方…

ロシア空爆で1,300人以上、そのうち民間人は403人?

時事通信は、イギリスに本拠地を置くNPOシリア人権監視団の情報として、ロシアがシリア領内で空爆を開始した2015年9月30日以降、死者の数が1331に人にのぼると報道しました。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151120-00000197-jij-m_estheadlines.yahoo…

ヨーロッパへ海路で渡った難民が84万人を突破〜11月20日現在

2015年になって、海路でヨーロッパへ渡った難民が10月2日50万人、10月19日60万人、11月5日75万人とお伝えしましたが、UNHCRによると11月20日現在、その数が84万人を超えています。1ヶ月でおよそ25万人も増加したことになります。 今回は子供の割合が増加した…

パリ同時テロ後にシリア空爆を強化したロシアの思惑

パリ同時テロ事件を「イスラム国」による戦争行為とし、フランスはシリアへの報復爆撃を開始しました。フランスも参加するアメリカ主導の「有志連合」による対「イスラム国」への空爆は、2014年8月以降、すでに8000回を超えました(11月12日現在)。パリでの…