「IKEA製」難民シェルターの防火性能が基準を満たさず採用を撤回
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とIKEAが難民用に共同開発した「ベターシェルター」が話題になりましたが、62基のシェルターを導入したスイス・チューリッヒ市が、ベターシェルターの防火性能を問題視して採用を撤回するという出来事がありました。
ベターシェルターは、17平米ほどというコンパクトな設計でありながら、4時間で組み立て可能で、屋根にソーラーパネルを備え、大人が5人就寝できる性能を備えています。
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ソーラーパネルで蓄電した電力を用いて、室内の電灯やUSB充電にエネルギーを供給する仕組みです。
スイスのチューリッヒ市は、2016年1月上旬までに250人の難民を受け入れる事になっており、そのために62基を購入しました。
しかし、納品されたシェルターの組み立てを目前にして、シェルターがスイスの防火性能を満たしていないことを発表。今後に向けて代替案を検討するとしています。
ベターシェアルターは、UNHCRとスウェーデンでテストが実施されました。その調査に関して、スウェーデンでの調査の正確性に疑問があるとする報告がドイツでなされました。
それを受けてチューリッヒ当局が新たに試験を行った結果、ベターシェルターは延焼しやすく、スイスで定められている防火性能を満たしていない可能性が出てきたそうです。
UNHCRは、スイスとスウェーデンで実施された試験結果を比較するとし、問題があれば解決策を見つけると説明しています。