過酷な状況で足止めを食らっていたモロッコ人男性が抗議の自殺
マケドニアとギリシアの国境での混乱がますます深刻化しています。(先日の記事はこちら)
マケドニアへの入国が阻まれ続けていたモロッコ人男性が12月3日、電車の高圧線に触れて死亡。状況に悲観したうえでの自殺と見られていて、その後、現地では警官隊と難民の間で暴動が発生しました。
AFPはその状況を以下のように伝えています。
「僕らは全員ここで死ぬ、よそへは行かない」――ギリシャとマケドニアとの国境で3日、モロッコから来た移民のアブドゥルさんは、鉄道の高圧電線を握りしめて感電死した友人男性の遺体を指さして言った。ギリシャ警察は、国境で何日も足止めが続いている現状に絶望しての自殺とみている。 モロッコ人移民たちは、この男性の遺体を担いで「アッラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫びながら検問に押し寄せ、ギリシャ警察が催涙ガスを噴射して押し戻す一幕もあった。
11月にマケドニアがシリア・アフガニスタン・イラク以外の国からきた難民をすべて「経済難民」とみなし、イラン人、モロッコ人、パキスタン人などの多くがマケドニアへの拒否される事態に発展しています。
寒い中、国境沿いで多くの難民が滞留している状況について、ギリシャ人ジャーナリスト アントス・レパナス氏は「この状況はかつて見たこともないほど深刻です。このままさらに悪化し続けるでしょう。イドメニでは戦争が起こっているのです。ヨーロッパもギリシャも恥じるべきです。人の命をおもちゃのように扱っています」と語っています。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は12月4日声明を出し、この状況を非難しています。国籍による難民の選別は国連のいかなる協定にも違反し、国籍ではなく保護を必要としているかを重視するように訴えています。