アメリカ・メキシコ国境の町にシリア人難民の家族が申請
2家族8人のシリア人難民が先週、アメリカとメキシコ国境の町、テキサス州ラレドに到着し、入管当局が身柄を一時拘束していることが分かりました。
パリ同時多発テロ事件後、各州の知事や共和党の大統領候補が難民の受け入れを拒否する方向に動いている中、彼らがどのように扱われるのか注目を集めています。
その後も、シリア人難民とみられる複数の男性がラレド経由で入国を申請する事態となっています。(Syrian refugees surrender to immigration agents at US-Mexico border)
そもそも、難民・移民申請を希望するシリアや中東からの人々が、メキシコ経由でアメリカに流入することは珍しいことではありません。
グレッグ・アボット テキサス州知事
しかし、アメリカ下院では、難民の受け入れの中止を求める法案が通過するなど緊張が高まっている最中。テキサス州の知事はシリア難民の受け入れを拒否を表明した30人超の知事の一人で、強硬な姿勢を示しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151120/k10010313401000.htmlwww3.nhk.or.jp
さらに、共和党の大統領候補の一人で、高い支持率を得ている富豪ドナルド・トランプ氏は反移民の立場で、メキシコとの国境に防御壁を設けるべきとの考えを強烈に主張しています。
ドナルド・トランプ
シリア人難民が入国したことを受けて、トランプ氏は「(だから)我々は巨大で美しい壁が必要なのだ!」との発言を行っています。
Eight Syrians were just caught on the southern border trying to get into the U.S. ISIS maybe? I told you so. WE NEED A BIG & BEAUTIFUL WALL!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2015, 11月 19
しかし、トランプ氏を含めて「反ワシントン政治」を訴える共和党候補に関しては、外交経験がなく安全保障政策は弱点です(米大統領選の候補者、テロ対応に積極姿勢 一方で経験不足露呈も)。
今後もアメリカへの入国する難民が押し寄せることも予想される中、テキサス州知事の対応と政治家の発言には注視したいところです。