シリア難民危機を考えるブログ

シリア難民に関する情報を集約していきます。難民問題と切り離せないシリアや中東情勢についても検証します。

難民たちがたどり着いたギリシア・レスボス島の海岸で脱ぎ捨てられた大量のライフジャケットが意味するものは?

イギリスの元外相デイビッド・ミリバンド氏がギリシアのレスボス島から投稿した一連のツイートが話題を呼んでいます。

ハフィントン・ポストに掲載されたツイート画像に映しだされているのは、レスボス島の海岸に脱ぎ捨てられた大量のライフジャケットです。

ツイートの中でミリバンド氏は、「このライフジャケットの山は中東の極まりない惨状の証拠である」と述べています。

www.huffingtonpost.com

Stirring photos of piles of abandoned life jackets -- some amounting to just flimsy pieces of plastic -- speak to the extraordinary dangers that hundreds of thousands of refugees are enduring to make their way to safety in the European Union.

脱ぎ捨てられた大量の次ライフジャケットの山が、「EUで安全を得るために何十万人の難民たちが直面する危険の凄まじさを物語っている」と説明しています。

Over 350,000 refugees have crossed the Mediterranean in 2015, many on dangerously overcrowded boats with leaks and faulty motors; through extreme weather and total darkness; and under the threat of mysterious masked gunmen that appear to be targeting Syrian refugees fleeing war in their homeland -- all with nothing but a life jacket as a precaution. 2015年に35万人を超える難民が地中海を渡った。水が漏れ、エンジンが故障したボートに危険なまでにギュウギュウに詰め込まれて。荒れた天候で全くの闇の中を。母国の戦禍を逃れたシリア難民を標的にしたとみられる謎の覆面武装集団の脅威にさらされながら。身を守る物はライフジャケット以外何も持たない状態で。

ミリバンド氏が掲載した黄色いジャケットには「溺れた時に実を守ることはできません」「ボートに乗る際は着用しないでください」と書かれている。

そしてこの記事は、先日、波打ち際で亡くなっている写真が公開されたアイラン・クルディ君のお父さんの言葉で締めくくっています。

「彼らに息を吹きかけて、その身体にもう一度息吹を与えたい」と彼は言った。「私たちは1時間ほどボートにしがみついて浮かんでいました。子どもたちはまだ生きていたのです。そこに大きな波が打ち寄せて、上の子供が亡くなりました。次男を守るために彼と離れ離れになってしまったのです。しかし、その次男も溺れて亡くなりました。当たりを見回すと、母親もすでに死亡していました。」

子どもたちのおかれた状況、そして子供を連れて危険な旅路を決断する親たちの切羽詰まった現状。シリアという国の半分近くが家を追われ、安全を求めて移動を繰り返している・・・大きな惨状を乗り越えるために事態をどう考え、どう行動していく必要があるのか?これまでになく大きな問題に直面しているように思われます。