シリア難民危機を考えるブログ

シリア難民に関する情報を集約していきます。難民問題と切り離せないシリアや中東情勢についても検証します。

ドイツがオーストリア国境で難民審査を再開

ドイツ政府は、オーストラリアとの国境でパスポートのチェックなどの審査を一時的な措置として再開すると発表しました。

ドイツのデメジエール内相は「ドイツへの難民の殺到を食い止める。秩序を取り戻す」と説明し、EU各国に難民の受け入れを分担するよう求めるかまえ。

ドイツ単独で数万人の難民をわずかな期間で受け入れたこともあり、国内の保護施設は満員状態地方政府から「限界」との声が上がっている模様です。

[http://digital.asahi.com/articles/ASH9G2SQ7H9GUHBI00L.html[

ドイツのデメジエール内相は13日夕、ベルリンで記者会見し、オーストリアとの国境で1990年代末から行っていない旅券チェックなどの国境審査を一時的に再開すると発表した。難民の急激な流入に一定の歯止めをかける狙いで、即日実施された。

http://mainichi.jp/shimen/news/20150914dde007030118000c.htmlmainichi.jp

毎日新聞の記事によると、ドイツ南部からすでに6万3000人が流入しており、そのスピードが速すぎることをその理由にあげているようです。

ただし、これは難民の受け入れに反発を強め、「国境管理強化を訴えている東欧諸国と妥協を図る狙いもありそうだ」と分析しています。EU内の不協和・対立がエスカレートすることを政治的な観点から抑制しているという見方もできるでしょう。

しかし、季節が秋になるに連れて、難民の健康を考えるとそのまま野宿させることはできないため、難民の受け入れを継続せざるを得ないという見方もあるようです。

ただ、秋が深まる中、難民をオーストリア側で野宿させることは難しく、ドイツは難民受け入れを続けざるを得ないとみられる。

国内の収容能力の問題と、周辺諸国との妥協という名の外交の間で、難民たちの生活は大きな影響を受けることになりそう。「一時的」な中断がどのくらいの期間になるのか、そして他の国々はこれを受けて対応に変化が生まれるのか?またひとつの曲がり角に来た印象があります。