シリア難民危機を考えるブログ

シリア難民に関する情報を集約していきます。難民問題と切り離せないシリアや中東情勢についても検証します。

デンマークがレバノンの新聞に反難民を訴える広告を掲載

ドイツからデンマークに向かった難民が、デンマークでの難民登録をしたがらないという話題が掲載されていました。

 

ヨーロッパの中でもリベルで寛容なイメージがあるデンマークになぜ滞在したがらないのか?そんな疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。

先日公開されたニューズウィークの記事に詳しい解説がありました。

 

デンマーク「難民にとって魅力のない国」を目指して

 

原題は「デンマークがレバノンの新聞に反難民広告を掲載」。以下の内容を読むと、皮肉にもデンマーク政府の「宣伝」が功を奏していることが伺えます。

 

デンマークの移民・統合・住宅省は今週、難民の流入阻止を狙った広告キャンペーンを開始した。「デンマークは難民に関する規制を全面的に強化する」という内容で、レバノンで発行されている4つの新聞にアラビア語と英語で掲載された。 広告にはさらに、新たに入国する難民向けの支援金を最大で50%削減する法案を議会で可決したこと、永住権を獲得するために必要な言語力の引き上げや、永住権取得までの待機期間を最短でも5年とする、といった条件が列挙されている。仮にデンマークでの一時的な保護が認められたとしても、最初の1年間は家族を呼び寄せることができない。

 

デンマークではこの6月に中道右派政権が誕生し、反難民政策が施行されているという現実があります。

 

しかし、その広告の効果が、デンマークにとって思わぬ「不都合」を生み出しています。

 

この記事でも書いたように、デンマークは一時的にデンマーク国内で難民登録をするように訴えかけています。ドイツを出国してデンマークに入国した難民の最終目的地はスウェーデン。あくまでデンマークは通過点にすぎないわけです。

 

そのままスウェーデンに向かわせてしまっては二国間問題にも発展しかねない。そのため、とりあえずデンマーク国内での登録を促進したい当局と、デンマークには滞在したくない難民。

 

今後、デンマーク政府がどのような対応をし、国内・外国に説明していくのか?注目したいところです。